お陰様で・・・

インターネットを調べると、「おかげさまで」という言葉は、漢字では「お陰様で」と書きます。神仏の見えない助け・加護を意味する「御陰(おかげ)」に、「さま」を加えて丁寧に言い表したものが語源となっています。

今回、皆さまに伝えたいのは、「お陰様で」という言葉を、ビジネス用語としてではなく、もっと、人が「徳積み」をする、という観点から話していきたいと思います。

人は、人生の中で、「徳積み」をするということが必要だと言われています。その「徳積み」をすることによって、自分の身ならず、自分の子孫や周りの人たちに良い影響をもたらすと言われています。

「徳積み」について、少し話しましょう。徳は、「陽徳」と「陰徳」と二つあります。「陽徳」とは、表立った善行を行うことを言います。人から称賛され、ありがとうと言われることをたくさん行うことです。一方、「陰徳」とは、人知れず善行を行っていて、人から称賛されずとも気にしないでよいことを進めることです。

実は、「陽徳」と「陰徳」どちらが価値があるかというと、「陰徳」なんですね。「陽徳」は、人々から称賛されることによって、もう報いを受けています。しかし、「陰徳」は、誰からも称賛されません。しかし、神は見ているんですね。神様のように霊格が高くはなくても、人格者である経営者の方たちは、その人が知らない所で努力していることなど、見ている場合があります。

「陰徳」の価値が分かる人であれば、他の人たちから、陰ながらに支援してくれたり、励ましてくれたりする人がいるときに、ありがとうの言葉を、「お陰様で」と言う言葉で表すようです。

私たちは、人が見ていようと、いなくても良いことを行える人に、なって行きましょう。

2023年3月31日

創業者との別れ

先月、1月26日、株式会社オオタの創業者がなくなった。
満90歳の大往生である。眠るようにして息を引き取っていた。

その後、通夜、告別式、出棺と一連の流れを㈱オオタの人たちが協力してくださり、誠にありがとうございました。

遺族を代表して、感謝を申し上げます。

2023年2月8日

お疲れさまとご苦労様の使い分け

12月は師走と呼ばれ、何かとあわただしい時期である。こんな時に、仕事の労をねぎらって、言葉をかける。

お疲れさま。ご苦労様。

さて、これらの言葉は、どんな風に使い分けるのだろうか。一般的には、「ご苦労様です」というのは、上司が部下に対して使う言葉である。誰に対しても使う言葉は、「お疲れ様」という言葉です。仕事終わりにかける言葉としては、「お疲れ様」というのは、さわやかな印象を覚える。

私が20歳前後でアルバイトをやったときに、仕事終わりに職場の人がお疲れ様という言葉をかけてくれた。その時の印象はさわやかなものだったことを覚えている。学生の時は、あまり使ったことがなかったので、新鮮に感じたのだろうか。

㈱オオタの訓練生も、高校から入社して8か月になるが、もうそうした職場環境になじんでいるだろうか。職場には、学生時代とは違ったルールや習慣がある。職場環境になじんで、仕事を進んで行うときに、能力は発揮され、喜びのある毎日を過ごすことになる、ということを自分で経験してほしいものだ。

2022年12月10日

夢をあきらめないで!

果たして、自分が行っている仕事の中で、夢をあきらめないで追い続けている人がどれほどいるだろうか?

先日、陸上自衛隊の中でセクハラにあって、上長の人が公の場で謝罪している場面が報道された。セクハラにあった女子自衛官は、涙ながらに話していた。
「夢を持って、陸上自衛官になったのに、どうしてこんなことをされるのか。直接、私にセクハラをした人たちが私に謝ってほしい」と・・・

男子であろうと、女子であろうと、職場に入ってくる人たちがいる。その人たちの夢を実現できるようにサポートすることが、組織の役割だと思う。

小さな夢かもしれない。人に話すほどの夢ではないかもしれない。でも人は、何らかの夢を持って行動する時に、大きな力を生み出すものである。

株式会社オオタには、技能五輪を目指す年若い女子がいる。11月に千葉県で開かれる全国大会に参加する。いろんな技術職には、それぞれの技能五輪大会が開かれている。左官の場合もそれにもれず、全国大会が開かれる。今、一生懸命、課題の壁を練習している。

そうした技能五輪で、入賞を果たすことを目標に毎日、課題の壁を塗っている。はたから見ていて、やはり応援したくなってくる。

夢を持って頑張っている人には、必ず、応援をしてくれる人が現れる。一方、夢を持たないで動いている人には、誰も協力してはくれない。

さて、あなたは、どちらの方か?

夢をあきらめないで・・・

2022年10月12日

二つの局面から物事を考察する

私が若いころに年長の方から教えていただいたことに次のようなことがある。

物事を決定するために二つの両局面から物事を考えるように!ということだ。

物事を判断する時に、一方方向だけで見ていては、物事の全体が見えない。

例えば、格言を引用して考えてみよう。

「君子危うきに近寄らず」ということががあれば、逆に「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という言葉がある。

何か新しい取り組みをする時に、慎重に物事を進めることもあれば、積極的に物事を進めるときがある。

会社の経営については、物事を慎重にするか、積極的にするかは、その時の状況によって、異なってくるだろう。また、会社の社員であれば、物事の決定がどのような結果を生むかは、よく考えて、行動しなければならない。

台風14号が去って、めっきり秋めいてきた。

秋と言えば、「秋風が吹く」という言葉もあるし、「秋は実りの季節」という言葉もある。

良い結果を生み出そうとするのであれば、その時、その時の賢明な判断の積み重ねであるように思う。

シアーズホームも㈱シアーズホームグループHDが、持ち株会社として誕生した。その下で、15の会社が傘下に入るようになった。㈱オオタもそのうちの一つである。

今後、㈱オオタも、収穫の秋、実りの秋に入って行きたいものだ。

2022年9月22日

湿式工法と日本の風土

 ㈱オオタのホームページで紹介しているように、湿式工法(しっしきこうほう) は、現場で水を混ぜながらつくった、モルタルや土壁などの材料を使う方法のことです。最近では、薄塗工法というものも多くなりましたが、左官の基本はモルタルや土壁などの材料を使う方法です。

一方、乾式工法(かんしきこうほう) は、工場で生産されたパネルや合板などを現場で取り付ける工法で、養生期間の必要が無いので、天候に左右されることなく工期を短縮できます。外壁仕上げでは、工場生産のパネルを現場で取り付けるサイディングが代表例です。

 このように、左官の工法は、日本の風土、季節や気候に非常に敏感であるということです。乾式工法で作業する業種は、天気にはそれほど影響されませんが、左官は非常に影響されやすいのです。左官の職人になるということは、日本の風土になじんだ地元密着の人になるということとも言えます。

 特に、漆喰塗工事などというのは、気候に左右され、雨が続いた時には仕上がりに時間がかかるために、職人の経験が判断の材料になっていくのです。ちなみに、一般社団法人 日本左官業組合連合会のホームページに、漆喰についての利点が載せられていますので、ご参照願います。

2022年6月21日

「梅雨」という言葉には・・・

「梅雨」に「梅」の漢字が使われた由来は、中国にあるといわれています。中国の揚子江周辺では梅の実が熟す頃が雨期にあたり、そのことから「梅」の字を使うようになったとされているのです。

 ただ、中国から伝わったときは「梅雨(つゆ)」ではなく、「梅雨(ばいう)」として伝わったそうです。

 雨によって黴(かび)が生えやすくなることがあげられます。そこから「黴雨(ばいう)」という言葉が生まれたというもの。ただ、語感が良くないので「黴」の字ではなく「梅」という字になったということです。 

 まずひとつめが、「露(つゆ)」から派生した「梅雨(つゆ)」という説です。 6月~7月にかけては雨がたくさん降ります。すると木々に露がつくことから「梅雨(つゆ)」というようになった、という説があります。

 ふたつめは、熟した梅の実が潰れることから「潰ゆ(つゆ)」という説です。
梅の実の成長には雨の存在が欠かせません。6月の初旬はまだ実が硬くても、下旬には収穫を終えることがほとんどです。そのため、熟して潰れる時期でもあることから「潰ゆ(つゆ)」が「梅雨(つゆ)」になったという説があります。

「梅雨」のイメージにはどんなものがありますか?

 シトシトと降り続く雨でしょうか。もしくは勢いよく降る雨でしょうか。
実は、これは東日本と西日本でイメージが変わってきます。東日本では梅雨はシトシトと弱い雨が降ったり止んだりを繰り返しますが、西日本では勢いよくザーザーと雨が降り続けます。

 この梅雨の時期は、体調管理をよくしなければなりません。食べ物が知らないうちに腐ったりカビが生えたりします。梅雨は気圧が下がって湿度が上昇し、雨による冷えや蒸し暑さなどで寒暖差も大きくなるため、頭痛やだるさ、むくみや食欲不振、関節痛といった体調不良が現れやすくなります。これは体内の自律神経のバランスが崩れることによるもので、正式な診断名ではありませんが、俗に「気象病」と呼ばれるものの一種です。
自律神経は、活動をつかさどる交感神経と、休息をつかさどる副交感神経からできています。日中は交感神経が優勢に、夜間は副交感神経が優勢になっていると、1日の生活リズムに合っていてバランスが良いとされます。

 いずれにしても、梅雨の時期、健康を管理しつつ、良い仕事を果たすことを心がけていきましょう。

2022年6月19日

コミュニケーションツール

 コミュニケーションの取り方については、いろいろな方が論じているが、今回は、コミュニケーションの取り方について書いてみたいと思う。最近の世の中のコミュニケーションツールは、昔と随分変わってきたと思う。というのは、インターネットが普及し、多くの人は、スマートフォンを使ってコミュニケーションを取る。

 ここで、昔のコミュニケーションは、どのようにとっていたかを列挙してみたいと思う。

 かなり昔から言えば、ベルが電話を発明してから、ラジオが普及し、テレビが家庭に広がっていった。1970年代までは、そうだった。それまでの時代は、どちらかというと、通信というより、放送という概念が強かった。ちなみに、一方通行なのが放送であり、相互通行が通信であると捉えて間違いはない。

 一般家庭もそれに倣って、威厳のある父親がいれば、父親の言うことが、一方方向だったような気がする。そうした時代から、大きく変化するきっかけになったのが、インターネットである。インターネットは、1960年代から始まっているが、最初は実験的なものだった。1982年、インターネット・プロトコル・スイート (TCP/IP) が標準化され、TCP/IPを採用したネットワーク群を世界規模で相互接続するインターネットという概念が提唱された。

 しかし、一般的にはまだ普及してはいなかった。1990年代半ば以降、インターネットは文化や商業に大きな影響を与えている。電子メールによるほぼ即時の通信をするという点がもてはやされ、ヤフーの検索機能が充実するようになってきた。1990年代終わりころから、グーグルの検索機能もよく使われるようになった。

 2006年にアップル社がアイフォーンというスマートフォンを出すと、それまでとは違ったコミュニケーションの取り方を若者を中心に展開するようになってきた。それは、SNSというツールを使ったやり方である。ツイッターやフェイスブック、ライン、などを用いて、簡単なメッセージから、画像、動画、音楽など配信できるようになった。新しい職種として、ユーチューバーが出てきている。

簡単に用いることが出来、人々の垣根、国家間の垣根が随分取り除かれてきた。半面、人に対する中傷が簡単に起き、炎上するという騒ぎも起きている。人々は、自分の知りたい情報を取りに行き、自分の気に入った人との会話を楽しむようになっている。確かに、時代は変わってきているように思う。

 21世紀の今は、変革の時、かもしれない。

2022年5月27日

新入社員

「歴史は、くりかえさないが、韻を踏む」という格言がある。マーク・トウェインが言ったとされている。原典を確認していないが、いかにも言いそうなフレーズではある。

歴史は物理現象とはちがう。不可逆的であり、同一の事象は二度と起こらない。でも、たとえば経済におけるバブルとその崩壊のように、表面上の形は違えども、パターンとしてはよく似た事象はくりかえし起こる。まるで韻を踏むようにして。

今、新型コロナウィルスが流行して丸2年になる。世界は、ちょうど、100年前にスペイン風邪が流行したころと同じような歴史を繰り返している。100年前の世界情勢は、第一次世界大戦が勃発し、それに続いて、スペイン風邪が全世界的に流行した。その名残が、インフルエンザとして今も残っている。

世界大戦と、スペイン風邪がほぼ同時期に発生している。現在、世界では、コロナウィルスの蔓延とロシア・ウクライナの紛争が同時期に起きている。全く同じではないが、同じようなことが起きているのである。

こうした歴史を教訓として、我々は生きていかなければならない。今日、4月1日は、新年度の始まる日である。株式会社オオタにも、新入社員が5名入ってくる。過去の歴史を教訓として新たな始まりを進める若者たちがいる。㈱オオタにもそれなりの歴史がある。それを教訓として新入社員が羽ばたいてほしいものだ。

2022年4月1日

歴史から学ぶ価値とは?

 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言を聞いたことがあると思います。これはドイツの名宰相であるオットー・ビスマルクの言葉です。愚かな者は経験からしか学ばない、と解釈できます。しかし、これでは経験したことしか学べないことになってしまいます。そうではなく、自分が経験できないことでも先人たちが経験したこと、すなわち歴史を学ぶことで、沢山の経験を身に着けることが出来ると言う訳です。

 当然ながら、先人たちは多くの失敗と成功を繰り返し、その経験の中から歴史という形で我々後世の者に貴重な経験談を残してくれているのです。これを学ばない手はありません。私は下手なビジネス本を読むより、歴史書、古典を読む方が、遥かに価値があると思います。

 ピーター・ドラッガーは、「未来は過去の延長線上にある」と言いました。今ある現在、そして未来は全て、過去の出来事が基盤となって表れた現象でしかないのです。すなわち、未来を知りたければ過去を学ぶ、歴史を学ぶことが近道だと言うことです。この格言には、次の言葉が付け加えられています。

(岡 漱一郎のコラムから引用)

2022年3月12日