季節の変化と予祝

季節の変化をよくわかるように日本字は昔から暦を使ってきた。二十四節季と言う言葉を聞いたことがあるだろうか。二十四節気(にじゅうしせっき)は、今でも立春、春分、夏至など、季節を表す言葉として用いられている。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき)とも呼ばれる)」が交互にあるものだ。

ちなみに、3月6日は、啓蟄と呼ばれ、啓蟄のことばの意味は、寒さが緩んで春の陽気になってくることによって、土の中から虫たちが動き出す季節のことを指す。 「啓」という字はひろく、「蟄」は土の中で冬ごもりしている虫のことで、春を感じた虫や、冬眠していた生き物たちが続々と動き出す、そういう春を感じる言葉である

虫が動き出す時期のことだ。人々の活動も春から動き始めてくる。今年、4月には、新入社員が7名、オオタに入社予定である。会社の社員として、また、社会人として活動を始めるのである。その新入社員を歓迎するために会社で歓迎会を開くことがあるだろう。その時は、新入社員が会社の中で仕事を成功していく姿を見ることが出来るようにしていきたい。

予祝と言う言葉がある。未来の姿を先に喜び、祝ってしまうことで 現実を引き寄せることを「予祝(よしゅく)」と言う。 平凡社の『世界大百科事典』には、次のように説明されている。 「豊作や多産を祈って、一年間の農作業や秋の豊作を模擬実演する呪術行事。 農耕儀礼の一つとして〈予祝行事〉が行われることが多い。」

4月の会社歓迎のパーティは、この予祝になればいい。

2024年3月4日

道具を大切にする

左官の職人には、道具を大事にする人と、あまり無頓着な人がいるように思う。オオタの第一期生である岡さんの時代から道具を大事にする職人は、技術力を高めてきたように思う。例えば、鏝の握りの部分など自分にとっては長いと感じると、1センチから2セントほどのこぎりでカットしたり、鏝の左右が引っかかるような感じがすると、滑らかになるように砥石などで何度も何度も角が引っかからないように工夫をしていた。そんな職人さんたちは、現場でいい仕事をしていたものだ。

先日、㈱オオタの訓練生が訓練センターで作業を行っているのを目にした。左官の2級の検定台の練習をしていた。1年生と2年生で10名ほどが作業をしていたのだが、ある訓練生が、非常に道具を大事にしていた。O君と呼ぼう。彼は、まだ1年生だが、去年4月に入社してきたときに、将来何になりたいか、と言う質問に、㈱オオタの社長になりたいと明言していた。彼の道具箱は、昆虫の標本みたいに、道具が並べてあった。会社から支給される道具だけでなく、自分でも必要な道具をそろえているようだ。それらの道具を見て、面引き鏝の直線は持っていたのだが、R面の面引き鏝は、持っていなかったので、本人に聞いてみた。そしたら、値段が高いんですよね。とのこと、「いくらくらいするんだ」と、私が聞くと、4500円します。とのことだった。すこしづつ、給料をもらって、これからそろえていくのだろう。訓練生たちが自分にできることで一生懸命作業をしている姿にほほえましく思った。

かつて、プロ野球の阪神タイガーズに、掛布と言う、名選手がいた。彼は、試合が始まる前に、いつも自分のグローブに油を塗ったりしならせたりして、試合に備えたと言う。職人肌の選手である。彼は、バッティングでも素晴らしい成績を治めていた。

私たちも、仕事を行う際に、自分の道具を大事にし、良い仕事を成し遂げていきたいものだ。

2024年1月31日

YES I CAN

かつて、アメリカの大統領でオバマ氏は、「YES WE CAN!」 と、唱えたことがあった。アメリカは、オバマ氏を支持し物事が進んだように見えた。

実は、このことは、我々が物事を行うときに、必要な考えを示しているように思える。

各人が、YES I CAN と、言って、物事を行うとき、積極的に物事が進み、成し遂げられていくのだ。「できない、できない」と、考えると、物事は、できないように進んで行き、「できる、できる」と考えて進めていくと、物事はできるように進んでいくのだ。

いつもいつもの考え方として、YES I CAN と、自分で言い聞かせて物事を進めていこう。

年末の忙しい時に、マエナスな考え方は、決して物事を進めるきっかけにはならないだろう。事故を起こすかもしれない。

仕事の手段として、道具や、材料などがあるだろう。しかし、それらのものを生かすのは、YES I CAN と言う、考え方である。

2023年12月8日

会社組織ということ

新入社員が入社して、ほぼ8か月になる。現場に出るようになって気づいてきていることだと思うが、会社組織にはそれぞれ特徴があると言うことだ。株式会社オオタにも特徴がある。それは、現場の職長が重要な役割を果たしている、と言うことだ。各現場の職長たちは、当社の役員でもある常務から指示を受け、現場監督と交渉したり、新人たちに仕事の役割を指導したりしながら自ら自分の仕事を行っている。また、現場の作業報告書まで作成して、常用請求までしている。職長次第で作業効率が変わったり、生産性があがったりする。

株式会社オオタでは、毎日、10か所ほどの現場があるので、それぞれの職長は、仕事をまとめて段取りを考えたりしながら、常務と連絡を取り合っている。現場にいて、そうした仕組みを新入社員は肌で感じていく。

会社の仕組みが分かってくると、自分の役割が見えてくる。そうなると、その役割を果たすことによって、チーム・オオタとして、成果を生み出していくことになる。仕事の生産性が上がって行けば、それは各人の給料へ反映していくのだ。

会社組織は、フォア―・ザ・社員でなければならないと思う。以前、高度成長時代とかは、フォア―・ザ・カスタマーの考えであった。顧客第一主義の時代であった。しかし、今は、社員第一主義の時代になっているように思う。社員が、幸せであり、生きがいを持って仕事を行っていけるかが、カギだと思う。

2023年11月13日

「諸君、狂いたまえ。」

一度きりの人生、狂うほど何かに没頭すべきなのかもしれません。
枠に収まった生き方は安定しているかもしれませんが何も変えることができなません。チャレンジする人がいなくなることを松陰は危惧していたのでしょうか。
頑張っている人のことを「意識高い」と笑っている場合ではないのかもしれないですね。

これは、吉田松陰の言葉です。吉田松陰は、明治維新の立役者になった坂本竜馬や、高杉晋作、桂小五郎など、多くの幕末の志士たちに影響をもたらしたことで有名です。

仕事に関して言えば、朝から出勤し、夕方5時には退社して、お給料がもらえる、この会社はいいなー、と、考えている人にとっては、驚きの言葉でしょう。

時間に流されないで、今の自分を見つめ、これから何をすべきかよく考え、何かに没頭していきましょう。

2023年10月12日

自分を信じて突き進む

「あなた方の信仰に徳を、特に知識を、知識に自制を、自制に忍耐を、忍耐に敬虔な専心を、敬虔な専心に兄弟の愛情を、兄弟の愛情に愛を加えなさい。」と言う言葉が、聖書の中に見出せます。ペテロ第二の手紙1章5,6節です。

この言葉にあるように、物事の始まりは、まず、信じること、信仰です。信じることがあって、人の話でもなんでも、信じなければ、物事は始まりません。しかし、最も信じなければならないのは何でしょうか?

それは、自分自身です。誰もが信じなくとも、自分で自分を信じることが大切です。私の母は、40年ほど前、「朝の集い」に出席していて、倫理を勉強していました。今でも実家に戻ると、丸山敏夫大全集が20数冊並んでいます。その母が、あいさつの大切さを学んで、私の父にいつも朝から、あいさつの言葉をかけていました。父は、職人上がりのぶっきらぼうなところがあり、あいさつを返してくれませんでした。何年もそうしたことが続き、やっと、小さな声であいさつを返すようになったのです。母は、自分を信じて、必ず、相手を動かすことを信じて、積極的に挨拶を心がけたのです。

私たちは、どうでしょうか。相手の顔色を見て、自分の態度を決めるような考えになっていませんか。自分を信じて、前向きな人生を送って行きましょう。

2023年8月13日

挨拶について

 最近、あいさつの大切さを教えられている。それは、私が、倫理法人会なる組織に属するようになったからだ。一週間に一度、朝5時から朝礼をし、あいさつのトレーニングを受けている。相手より先に挨拶をすることが、大切らしい。

 かつて、元NHKアナウンサーの鈴木健二氏が書いた本の中で、あいさつとは、自分の心を開いて、相手に向かい、相手の心を開くことだ、と言われたことがある。確かにそのとおりであるが、それが出来ない人が多い。そうした人は、色々と言い訳をするが、結局自分自身の問題だと思う。自分の問題だと認識する人は、必ず変化していく。

 自分が会長としてかかわっている株式会社オオタの朝礼の時に、あいさつについて話をしたことがある。自分から挨拶をすることは、プライベートモードから仕事モードに切り替えることに必要だと話したことがある。自分から積極的に挨拶の言葉をかけると、仕事モードへとチィンジするために自分を切り替えていることになる、と話した。

 自分から積極的に、あいさつをすることを心がければ、物事が開けていくような気がする。

 熊本市の白山通りに、琴平神社と言う神社がある。以前ある人から話を聞いた中で、琴平神社は、物事が開ける神様が祭ってあると言うことだそうだ。では、物事が開けるように、自分からの挨拶を心がけていこうと思う。

2023年7月31日

会社組織の在り方

熊本県の会社組織は、圧倒的に個人事業主が多いと聞く。へぇー、そうなのか?と、思っていたら、あることに気が付いた。個人事業主は、一人でなんでもやっていかなければならないんだと。経理も税務も営業も何でもかんでもやらなければならない。そうすると、なかなか事業主は、事業を拡大することが難しい。得意分野と苦手な分野が出てくるからである。

では、どうすればよいのだろうか?

前回お話をしたように、目的、目標、手段と言った分野で経営陣は、役割分担をすればどうだろうか?経営陣は、そのことをわきまえて、ある役員が現場でのやり方や手段を教えることをし、別の役員が、毎月の目標を強調し、さらに別の役員が会社の理念を強調し、従業員の考えを会社の理念と共有できるように助けて、会社が一体となって、進んでいくことが出来るようにする。と言うのが、望ましいのである。

そうした役割を分担して、経営陣が物事に取り組んでいくと、この会社は、若い人がすぐにやめていく、と言うような嘆きの言葉を聞くことがないようにできるであろう。

若い人たちが、簡単に会社を辞めていくことを当たり前と思わないで、若い人々とコミュニケーションを取って、事業を進めていくことが望ましい。

私が見てきた中では、熊本県塗装組合が、そうした組織を作っている。組織の理事の中には、〇埼さん、〇合さん、〇下さんらの重鎮がいて、それぞれ個性が違っているが、そうした中心になる人たちが、よく話し合って、物事を決めている。しっかりした組合組織が出来ているのである。

また、手前味噌で申し訳ないが、株式会社オオタも、社長、常務、会長がそれぞれの役割を果たしながら、会社の定例会の時などに、それぞれの立場で社員に情報をもたらしている。そう、手段や目標、目的を伝えているのである。そうすることによって、会社全体は、一致して、進めることが出来るぢょうになっている。決して、個人事業主には、できないことだ。

どうか、これから組織を作っていく人たちは、参考にしてほしいものだ。

2023年7月5日

目的と目標と手段

目的と目標と手段、この3つはどのように違うのであろうか?

目的とは、物事を行う理由であり、〇〇のためにという、一番大切な部分である。一方、目標は、その目的に達するための里程標である、と言える。目標は数値化できるのに対して、目的は、数値化が出来ない。例えば、会社の目的として、生産性を高め、社員の幸福な生活に資する。ということを掲げたとしよう。その目的を達成するために、目標値を掲げるのである。経営者と従業員とのコミュニケーションで大切なことは、この目的を共有することである。生産性を高め、社員の幸福な生活に資する、と言う目的があるならば、経営者だけの理念でなく、従業員も同じような理念を持って仕事をすべきである。考えを共有するということである。そうであればこそ、ただ、現場に来て、時間から時間だけいたら給料をもらえる、と言う社員はその会社には必要ないと思う。

目標については、会社の理念とマッチして設定してゆき、会社として、また個人として、その目標が、モチベーションが上がるようにしなければならない。やる気を起こして、仕事に向かえるようにする、と言うことが大切なのだが、これも会社の理念とマッチしていることが必要である。

次に、目標を設定したのなら、今度は、手段を考えなくてはならない。自分の仕事に対するやり方、段取り、道具、などを見つめなおして、より効果的な方法を見つけ出し、自分の仕事に対して、自信を持って取り組んでいくことが必要であろう。あなたは、ハワイへ行くのにどんな手段を使いますか?と、聞かれたとしよう。たいていの人は、飛行機や、大型の船に乗って行きます。と、答えるだろう。間違っても、「いかだ」を漕いでハワイを目指すと言う人はいないだろう。昔は、左官の職人たちは、砂とセメントを用いて、モルタルを作り、壁を塗っていた。大体、10ミリくらいの厚さで仕上げていた。しかし、今では、現場では、薄塗工法で施工することが多くなり、1ミリ~3ミリで仕上げる場合が多い。現場の90%は、薄塗工法である。階段の段々や、外部巾木などは、いまだにモルタル工法が使われているが、たいていは、薄塗工法である。こうした変化は、使う道具も変わってくる。昔と変わっているのである。時代の変化に応じて、やり方を変え、生産性を上げながら、仕事をしていくのである。

以上、目的と、目標と、手段について述べてきた。次回は、この3つを自覚することと、会社組織の在り方について取り上げていこうと思う。

2023年7月4日

コミュニケーションのあり方

人とのコミュニケーションの取り方が苦手な人がいる。
「人と話すのは、苦手で、特に大勢の人の前では、緊張して自分が何を言っているのかわからなくなってしまう」と言う人も珍しくない。
特に、若い人の中で、人前で話すのは苦手だ、という人は少なくないだろう。

そうした場合では、どうすればよいのであろうか?

人には、物事を見る「ものさし」というものがある。それは、他の人も同じように「ものさし」を持っているということである。みんな一人一人持っているものだ。自分のものさしばかりで物事を進めようとすると、トラブルが生じる。それが、けんかに発展したり、ひどい場合は、殴り合いに発展することもある。

自分の「ものさし」と相手の「ものさし」が随分違っているのなら、相手の「ものさし」つまり考え方に耳を傾けることである。同意できる点は、相槌を打ち、そうでない場合は、保留にしておくことだ。決して否定したり、物事を正したりしないほうが良い。ようは、「聞き上手は話し上手」なのである。

こうした技術を持っていると、誰とでもコミュニケーションを取っていくことが出来る。

会社の経営者であれば、若い人や最近会社に入った人と話をする場合、会社の理念にそぐわない若い人と話をする場合もある。その時に、上から目線でしかりつけたりしないで、良い考えを持っているならその点をほめ、会社の目的とその若い人の考えを共有していくことが大切になってくる。

会社が発展するためには、会社の理念、例えば、生産性を向上させ、社員の生活を豊かにするということが掲げられているとする。そうした理念が末端の社員にも浸透するように努力しなければならない。その会社にいる目的を経営陣と社員が共有するという考えが必要なのである。そうしたことを心がける会社は、若い人が会社を辞めていくことを、最小限にすることが出来るだろう。

若い人が、会社に入っても直ぐに辞めていく、という経営者の方は、もう一度、コミュニケーションの取り方と、会社の理念がどれほど若い人に浸透しているのかを考えてほしいものだ。

2023年7月3日