湿式工法と日本の風土

 ㈱オオタのホームページで紹介しているように、湿式工法(しっしきこうほう) は、現場で水を混ぜながらつくった、モルタルや土壁などの材料を使う方法のことです。最近では、薄塗工法というものも多くなりましたが、左官の基本はモルタルや土壁などの材料を使う方法です。

一方、乾式工法(かんしきこうほう) は、工場で生産されたパネルや合板などを現場で取り付ける工法で、養生期間の必要が無いので、天候に左右されることなく工期を短縮できます。外壁仕上げでは、工場生産のパネルを現場で取り付けるサイディングが代表例です。

 このように、左官の工法は、日本の風土、季節や気候に非常に敏感であるということです。乾式工法で作業する業種は、天気にはそれほど影響されませんが、左官は非常に影響されやすいのです。左官の職人になるということは、日本の風土になじんだ地元密着の人になるということとも言えます。

 特に、漆喰塗工事などというのは、気候に左右され、雨が続いた時には仕上がりに時間がかかるために、職人の経験が判断の材料になっていくのです。ちなみに、一般社団法人 日本左官業組合連合会のホームページに、漆喰についての利点が載せられていますので、ご参照願います。

2022年6月21日

「梅雨」という言葉には・・・

「梅雨」に「梅」の漢字が使われた由来は、中国にあるといわれています。中国の揚子江周辺では梅の実が熟す頃が雨期にあたり、そのことから「梅」の字を使うようになったとされているのです。

 ただ、中国から伝わったときは「梅雨(つゆ)」ではなく、「梅雨(ばいう)」として伝わったそうです。

 雨によって黴(かび)が生えやすくなることがあげられます。そこから「黴雨(ばいう)」という言葉が生まれたというもの。ただ、語感が良くないので「黴」の字ではなく「梅」という字になったということです。 

 まずひとつめが、「露(つゆ)」から派生した「梅雨(つゆ)」という説です。 6月~7月にかけては雨がたくさん降ります。すると木々に露がつくことから「梅雨(つゆ)」というようになった、という説があります。

 ふたつめは、熟した梅の実が潰れることから「潰ゆ(つゆ)」という説です。
梅の実の成長には雨の存在が欠かせません。6月の初旬はまだ実が硬くても、下旬には収穫を終えることがほとんどです。そのため、熟して潰れる時期でもあることから「潰ゆ(つゆ)」が「梅雨(つゆ)」になったという説があります。

「梅雨」のイメージにはどんなものがありますか?

 シトシトと降り続く雨でしょうか。もしくは勢いよく降る雨でしょうか。
実は、これは東日本と西日本でイメージが変わってきます。東日本では梅雨はシトシトと弱い雨が降ったり止んだりを繰り返しますが、西日本では勢いよくザーザーと雨が降り続けます。

 この梅雨の時期は、体調管理をよくしなければなりません。食べ物が知らないうちに腐ったりカビが生えたりします。梅雨は気圧が下がって湿度が上昇し、雨による冷えや蒸し暑さなどで寒暖差も大きくなるため、頭痛やだるさ、むくみや食欲不振、関節痛といった体調不良が現れやすくなります。これは体内の自律神経のバランスが崩れることによるもので、正式な診断名ではありませんが、俗に「気象病」と呼ばれるものの一種です。
自律神経は、活動をつかさどる交感神経と、休息をつかさどる副交感神経からできています。日中は交感神経が優勢に、夜間は副交感神経が優勢になっていると、1日の生活リズムに合っていてバランスが良いとされます。

 いずれにしても、梅雨の時期、健康を管理しつつ、良い仕事を果たすことを心がけていきましょう。

2022年6月19日