こだわり

最近、はまっている中に料理がある。今年の春に「糖尿病」で入院したため、医師から食事にはくれぐれも注意するようにと言われているからである。塩分を控えて、糖分も控えなければならない。しかし、インシュリンを打っている関係で、血糖値はある程度抑えることができる。しかしながら、塩分は薬で抑えることができない。外食すると、結構塩分が多いと感じることがある。この間、友人に勧められて、野菜炒めを食べたのだが、しょっぱくて、しょっぱくてしょうがなかった。それで、自分で食事を作るのだ。

私が作る料理は、塩こしょうをくわえないようにしている。その代わり、だし汁を使う。「天つゆのだし」とか、「あごだし」とかである。だし汁を使うと、結構、塩分の代わりになる。また、油は、「えごま油」を使うようにしている。「えごま」と言うと、ごま油だと思っている人もいるが、実は、しその実の油である。癖がなくて、しかも植物性だから体にいい。値段が高いという人もいるが、女性の方に質問したい。「化粧品にどれほどお金をかけていますか?」えごま油は、食べる化粧品です。オメガ3が山ほど入っている。数十分熱を加えても、90%以上、オメガ3は残るそうだ。

車を良い状態に保つには、オイル交換をひんぱんに行い、エンジンの状態をよくする必要があると言われているが、人間の体も同じで、体内のオイルが良好な状態であると健康によいらしい。それで、油にもこだわっている。

その昔、阪神タイガーズに掛布という選手がいた。彼は、ひまがあったら、自分のグローブを磨いていたそうである。また、大リーガー時代のイチローは、球場に来ると、必ず、同じようにストレッチ運動を行い、打席に入る時も、毎回同じテンポで、自分のルーティーンを持っていた。そうしたこだわりを持って、試合に臨んでいた。

左官の職人の中にも、自分の道具にこだわりを持って、仕事をしている人がいる。先日亡くなった当社の職人もそうだったが、自分の「鏝」にアクセントを加えて、自分用に使いやすいようにしている。市販されている「鏝」は、標準的なサイズで、人によって体の大きさ、手の大きさが違うからである。そうしたこだわりを持って仕事をしている人は、良い仕事を行うのである。

「こだわり」を持って仕事をしていく人たちを、今後も、大事にしていきたいものである。

2020年10月12日