東京オリンピックについて思うこと

 7月23日から8月8日まで東京オリンピックが開催される。1年以上前からコロナの影響でどうなるのかと議論が尽くされてきたところで、東京オリンピックについて、書くことはリスクを感じるものである。

 果たして、東京オリンピックは成功するのだろうか?

 ここで、オリンピックの目的が何のためにあったのか思い起こしてみよう。日本オリンピック委員会のサイトからの引用である。

1 近代オリンピズムの生みの親はピエール・ド・クーベルタンであった。氏の提案にもとづいて、1894年6月、パリ国際アスレチック会議が開催された。国際オリンピック委員会(IOC)が発足したのは1894年6月23日であった。1994年8月の第12回総会はオリンピック百周年に当たり、「Congress of Unity」をテーマにパリで開催された。

2 オリンピズムは、肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡のとれた全人のなかにこれを結合させることを目ざす人生哲学である。オリンピズムが求めるのは、文化や教育とスポーツを一体にし、努力のうちに見出されるよろこび、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などをもとにした生き方の創造である。

3 オリンピズムの目標は、あらゆる場でスポーツを人間の調和のとれた発育に役立てることにある。またその目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある。この趣意において、オリンピック・ムーブメントは単独または他組織の協力により、その行使し得る手段の範囲内で平和を推進する活動に従事する

4 IOCが率いるオリンピック・ムーブメントは、近代オリンピズムにその端を発している。

5 オリンピック・ムーブメントは、最高機関IOCのもとで、各種組織、競技者、その他の人たちを統括する。彼らは、オリンピック憲章によって導かれることに同意した人々である。オリンピック・ムーブメントに帰属するための基準は、IOCによって承認される。スポーツの組織および管理は、IOCが承認する独立のスポーツ団体により監督されなければならない。

6 オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある。

7 オリンピック・ムーブメントの活動は、結び合う5つの輪に象徴されるとおり普遍且つ恒久であり、五大陸にまたがるものである。その頂点に立つのが世界中の競技者を一堂にあつめて開催される偉大なスポーツの祭典、オリンピック競技大会である。

8 スポーツの実践はひとつの人権である。何人もその求めるところに従ってスポーツを行う可能性を持たなければならない。

9 オリンピック憲章は、IOCが採択した基本原則、規則および細則を成文化したものであり、オリンピック・ムーブメントの組織および運営を統括し、オリンピック競技大会開催のための諸条件を規定するものである。

 と、なっている。オリンピックの五輪は、五つの大陸をつなぎ合わせて、人々が平和に仲良く生きていくための祭典である。そこには、政治的な目論見などはあるはずもない。本来、こうした趣旨のもとでなされるスポーツ競技である。こうした中、コロナと向き合っていかなければならない。

 東京オリンピックに期待しているのは、こうした、コロナの危険が迫る中で、東京都が、日本が、日本国民が、どのように向き合っていったか、それにともなって、どんな成果を生み出していったか?ということだろう。

 東京オリンピックがどのように大会を開催し、どのような成果を生み出すかによって、良い意味で、これからの世界のひな型となっていくことを願ってやまない。

2021年7月20日

七夕について

 今日は七夕(たなばた)である。織女と牽牛の伝説は『文選』の中の漢の時代に編纂された「古詩十九首」が文献として初出とされている。なにかロマンティックな話である。子どもたちは、七夕の短冊に願いを書いて竹の葉の間に飾りつけをする。おもむろに自分の願いを書くのだが、私も子どものころに短冊を書いていたのを思い出す。

「頭がよくなりますように」とか、
「成績が上がりますように」とかだったと思う。

 今、私たちが住んでいるこの世界には、コロナウイルスが蔓延している。だから、短冊の願いも、「世の中から、コロナがなくなりますように」とか、「みんなが健康で生活できますように」とか、願いの内容がここ1~2年で変わってしまっているのかもしれない。

 私たちの生きている時代は、いったいどんな時代なのだろうか?自分を俯瞰してみることが出来るなら、あるいは別の言い方をすれば、自分の頭上に衛星を打ち上げて自分を見たとしたら、どのように見えるのだろうか?

 今の時代が、これまでの人類の歩みを大きく変えようとしている時代に我々は生きているのかもしれない。21世紀になって、経済にしても、自然環境にしても大きく変わってきている。気象問題にしても、50年に一度の大雨、とか、観測史上初めて、というニュースが多くなっているような気がする。何か変だな?と、思うのは、私一人だろうか?

 気になることがある。7月の後半から、東京オリンピックが始まる。いったいどんな大会になるのだろうか?無観客だとか、1万人以内の観客とか、いまだに取りざたされている。この大会で、変わったことが起きなければよいのだが・・・

2021年7月7日