湿式工法と日本の風土

 ㈱オオタのホームページで紹介しているように、湿式工法(しっしきこうほう) は、現場で水を混ぜながらつくった、モルタルや土壁などの材料を使う方法のことです。最近では、薄塗工法というものも多くなりましたが、左官の基本はモルタルや土壁などの材料を使う方法です。

一方、乾式工法(かんしきこうほう) は、工場で生産されたパネルや合板などを現場で取り付ける工法で、養生期間の必要が無いので、天候に左右されることなく工期を短縮できます。外壁仕上げでは、工場生産のパネルを現場で取り付けるサイディングが代表例です。

 このように、左官の工法は、日本の風土、季節や気候に非常に敏感であるということです。乾式工法で作業する業種は、天気にはそれほど影響されませんが、左官は非常に影響されやすいのです。左官の職人になるということは、日本の風土になじんだ地元密着の人になるということとも言えます。

 特に、漆喰塗工事などというのは、気候に左右され、雨が続いた時には仕上がりに時間がかかるために、職人の経験が判断の材料になっていくのです。ちなみに、一般社団法人 日本左官業組合連合会のホームページに、漆喰についての利点が載せられていますので、ご参照願います。

2022年6月21日