コーチングとは、自ら考えアクションを起こす人材を育てるためのコミュニケーションのことを言う。適切なコーチングを受けた人は、今まで気付くことができなかった新しい考え方や視点を得ることができるとともに、目標の達成や成果につながる行動を取ることができるようになる。
現在の日本では、課題に対して主体的に行動する人材が求められており、コーチングにより本人の行動の選択肢を作ることが目的として挙げられる。そのためコーチングは、コミュニケーションを重視する。しかも、一方通行ではなく、相互的なコミュニケーションである。
では、どうすればコーチングをすることができるだろうか?
まずは、対等な立場に立つことから始める。上下関係で物事を見る傾向のある人は、この点から改善しなければならない。フィフティフィフティの関係である。そうでなければ、質問や積極的傾聴など行えるはずもない。質問が尋問のようになってはいけないのだ。
質問の仕方については、以下に参考点を示しておく。
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。
3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
具体的に言えば、「共感的理解」に基づく傾聴とは、聴き手が相手の話を聴くときに、相手の立場になって相手の気持ちに共感しながら聴くことである。「無条件の肯定的関心」を持った傾聴とは、相手の話の内容が、たとえ反社会的な内容であっても、初めから否定することなく、なぜそのようなことを考えるようになったのか関心を持って聴くことだ。「自己一致」に基づく傾聴とは、聴く側も自分の気持ちを大切にし、もし相手の話の内容にわからないところがあれば、そのままにせず聴きなおして内容を確かめ、相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くことです。
こうしたことを繰り返すことで、相手が気づき、自主的に問題を解決の糸口にたどり着き、自主的に行動できるようにするのである。
是非とも、コーチングを取り入れて、組織や社内での活性化に役立てていただきたいと思います。