目的と目標と手段

目的と目標と手段、この3つはどのように違うのであろうか?

目的とは、物事を行う理由であり、〇〇のためにという、一番大切な部分である。一方、目標は、その目的に達するための里程標である、と言える。目標は数値化できるのに対して、目的は、数値化が出来ない。例えば、会社の目的として、生産性を高め、社員の幸福な生活に資する。ということを掲げたとしよう。その目的を達成するために、目標値を掲げるのである。経営者と従業員とのコミュニケーションで大切なことは、この目的を共有することである。生産性を高め、社員の幸福な生活に資する、と言う目的があるならば、経営者だけの理念でなく、従業員も同じような理念を持って仕事をすべきである。考えを共有するということである。そうであればこそ、ただ、現場に来て、時間から時間だけいたら給料をもらえる、と言う社員はその会社には必要ないと思う。

目標については、会社の理念とマッチして設定してゆき、会社として、また個人として、その目標が、モチベーションが上がるようにしなければならない。やる気を起こして、仕事に向かえるようにする、と言うことが大切なのだが、これも会社の理念とマッチしていることが必要である。

次に、目標を設定したのなら、今度は、手段を考えなくてはならない。自分の仕事に対するやり方、段取り、道具、などを見つめなおして、より効果的な方法を見つけ出し、自分の仕事に対して、自信を持って取り組んでいくことが必要であろう。あなたは、ハワイへ行くのにどんな手段を使いますか?と、聞かれたとしよう。たいていの人は、飛行機や、大型の船に乗って行きます。と、答えるだろう。間違っても、「いかだ」を漕いでハワイを目指すと言う人はいないだろう。昔は、左官の職人たちは、砂とセメントを用いて、モルタルを作り、壁を塗っていた。大体、10ミリくらいの厚さで仕上げていた。しかし、今では、現場では、薄塗工法で施工することが多くなり、1ミリ~3ミリで仕上げる場合が多い。現場の90%は、薄塗工法である。階段の段々や、外部巾木などは、いまだにモルタル工法が使われているが、たいていは、薄塗工法である。こうした変化は、使う道具も変わってくる。昔と変わっているのである。時代の変化に応じて、やり方を変え、生産性を上げながら、仕事をしていくのである。

以上、目的と、目標と、手段について述べてきた。次回は、この3つを自覚することと、会社組織の在り方について取り上げていこうと思う。

2023年7月4日