今年の十五夜は、9月24日である。十五夜は秋の美しい月を観賞しながら、秋の収穫に感謝をする行事で、「中秋の名月」と呼ばれている。旧暦では7月~9月が秋にあたり、初秋は台風や長雨が続くが、仲秋は秋晴れも多く空が澄んで月が美しく見える。日本では、中国から伝わった月見を取り入れ、平安貴族が月見の宴を催して風雅を楽しむようになったとされている。
また、「十三夜」と呼ばれる習慣がある。それは、旧暦9月13日のお月見のことで、旧暦8月15日の十五夜のあとに巡ってくる十三夜をさしている。2018年の十三夜は、10月21日(日)である。
十三夜は十五夜に次いで美しい月だといわれており、昔からとても大事にされている。どちらか一方しか月見をしないことを「片見月」「片月見」といい、縁起が悪いとも言われるらしい。
また、「十五夜」のお月見が中国伝来なのに対し、「十三夜」は日本で生まれた風習だといわれており、栗や豆の収穫祝いでもあるため、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれる。お月見をする際は、月見だんご(13個または3個)、すすき、栗や豆などの収穫物を供えて楽しむものだそうだ。
もう一つ、「十日夜(とおかんや)」とは、旧暦10月10日に行われていた収穫祭のことをさしている。2018年の十日夜は、11月17日(土)です。ただ、十日夜は、稲刈りを終え田の神様を見送る行事でお月見がメインではないため、月齢に関係なく新暦の11月10日に実施する地方もある。
十日夜には、田の神様の化身とされているかかしにお供えものをしたり、かかしと一緒にお月見をしたりする「かかしあげ」の風習がある。また、わらを束ねた「わら鉄砲」や「わらづと」で子どもたちが地面を叩いて作物を荒らすモグラなどを追い払い、土地の神様を励ますなど、地域によってさまざまな行事があるようだ。
このように、月に関する風習は、日本人の生活に欠かせないものとなっていた。
日本人の心を取り戻すために、もう一度、夜空の「月」を眺めてみませんか?