教え方講座(その1) ティーチングとコーチングの違い

「コーチング」と「ティーチング」の違い
ティーチングは言葉の通り、「教える」ということがメインのコミュニケーション方法である。相手に対して、自分の得意とする領域や分野における知識やノウハウを教える場合、1方向的なコミュニケーションを取ることになる。コーチングは、あくまで双方向型のコミュニケーションであり、ティーチングとはその点で異なります。

「コーチング」と「コンサルティング」の違い
コンサルティングは、現在の状態からより良い成果を出すために、課題や改善価値のある箇所を指摘し、正しい解決策を提示してあげるコミュニケーション方法である。それに対して、コーチングはあくまでも本人が自ら考える中で何かしらの答えを出すことが重要で、その気付きを与えるのがコーチングの役割といえる。

「コーチング」と「カウンセリング」の違い
カウンセリングは、何らかの原因によりマイナスになってしまった状況を把握し、その解決策を提示することで元の良い状態に引き戻すコミュニケーション方法である。そのような状況にしてしまった理由を聞き出すため、双方のコミュニケーションであるという点はコーチングと同じだが、コーチングはより成果を出すためのコミュニケーションであり、目的/ゴールが異なっていると言えます。

 実は、コーチングという手法を取ることによって、多くの組織や会社の中での問題点を改善することが出来ると言われている。

 「コーチ (Coach)」という言葉が最初に登場したのは 1500 年代。その語源は【馬車】だった。馬車の役割は、「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」ということである。そこから派生してコーチングは、「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになった。

その後、「コーチ」 は個人や組織の目標達成を支援する存在として、教育、スポーツなどさまざまな分野で発展を遂げることになる。

今現在、コーチングはマネージャーに求められるコミュニケーションスキルとして確立しているが、はじまりは、 1950 年代、当時ハーバード大学助教授であったマイルズ・ メイス (Myles Mace) 氏が著書『The Growth and Development of Executives』(1959 年 ) の中で、「マネジメントにはコーチングが重要なスキルである」としている。そして、1980 年代になると、コーチングに関する出版物が多く登場し始めた。

日本では、1997 年にコーチ・エィ(当時コーチ・トゥエンティワン ) が、日本初のコーチ養成機関としてコーチングを体系的かつ体験的に学ぶ「コーチ・トレーニング・ プログラム (CTP)」の提供を始めた。企業でのマネジメントに活用するビジネスパーソンをはじめ、教育関連、医療関連、士業、専門職など、様々なバックグラウンドの人が学び、コーチングはさまざまな領域で独自に活用、展開されるようになった。

基本的に、ティーチングでは、上下関係を生み出してしまうが、コーティングでは、対等な関係の中でその人が目標を達成することが出来るように助けていくのである。

コーチングの特徴

コーチングとは、自ら考えアクションを起こす人材を育てるためのコミュニケーションのことを言う。

適切なコーチングを受けた人は、今まで気付くことができなかった新しい考え方や視点を得ることができるとともに、目標の達成や成果につながる行動を取ることができるようになる。

現在の日本では、課題に対して主体的に行動する人材が求められており、コーチングにより本人の行動の選択肢を作ることが目的として挙げられる。

そのためコーチングは、コミュニケーションを重視する。しかも、一方通行ではなく、相互的なコミュニケーションである。

(つづく)

2022年1月31日