旅に出る朝は、いつも“ゆで卵”を食べる。なぜか?と聞かれても、別に縁起を担いでいるわけではない。・・・なんとなく・・・である。卵が好きなのだろうか?自分に問うてみても、“別に・・・”と、もう一人の自分が反応する。ただ、なんとなく旅が面白くなりそうな気がするだけだ。・・・なんていい加減な・・・と、自分に言ってみる。
“ゆで卵”といえば、子供の頃を思い出す。藤崎宮の秋の例大祭に勢子たちが追い回す飾り馬を見たいがために、おやじのお師匠さんの会社がある立町の二階の手摺から、勢いが良い飾り馬を見ていた。そして、その時の道向かいにあった小さな食堂のおでんが好きだった。特に、“ゆで卵”・・・そのおでんのゆで卵は、黄身が濃くってなんともいえない味だった。その時から、ゆで卵を好きになったような気がする。
“卵“と言えば、おふくろが遠足の時に作ってくれたサンドイッチのスクランブルエッグは、最高に美味しかった。遠足があるたびに、卵のサンドイッチを作って!とおふくろにせがんだものだった。その時の卵も、黄身が濃くってなんともいえないくらい美味しかった。
そういえば、おやじの実家で養鶏をしていた時がある。小学校の一年くらいの時だったと思うが、おばあちゃんが、生卵を売りに来ていた時があった。その頃で、一個10円もしていたから、“高いなー”と、思ったが、おふくろは気持ちよく何十個も買っていた。おばあちゃんがいろいろ大変なのを知っていたのだと思う。
こうして、思い出してみると、卵に関する出来事はいろいろとあったんだ・・・
だから、旅に出る朝は、“ゆで卵”なのかな・・・
そういえば、うちの社員で卵が嫌いなのがいたな・・・
こらっ、好き嫌いするなよ・・・美味しいのに・・・