一昨年、私が社長に就任したときに、目を疑ったことがあった。それは、就業規則に定年制が書かれてあり、60歳になったら、定年とあり、60歳を超えた後の従業員の給料が下げられていたのである。
当社は、建築の中でも専門工事業を主体としているために、職人が多い。今、職人は、59歳でも60歳でもその技能はほとんど変わらない。それが、60歳になったら、自動的に給料カットである。これではいけない、と思い、1年前に就業規則を変更した。それは、65歳が定年である。という内容だった。
これで十分かな?と、思っていたが、昨今の状況は高齢化社会に対応して定年の廃止を訴えている。ハローワークや行政関係は、定年廃止をする企業に対して、補助金などを用意している。
当社もその趣旨を理解して、今、定年制の廃止に向かって、社労士等と相談しているところだ。
もちろん、高齢になった職人は、現場での作業に関して、注意している事がある。それは、外部での高所作業を行わせない、また、重労働となる作業をさせない、などである。ただ、長年培った技能は、目を見張るものがあり、若い職人たちの模範となっている。
これらの年配の職人と、若い職人が互いを認め合い、協働して働く現場を創っていくことが、我々の任務であると感じている。