レガシイという言葉について

最近よくレガシイという言葉を」聞くようになった。以前、スバルのレガシイに乗っていたので、なんのこっちゃと思って、ネットで調べてみたら、次のように書かれていた。

1 遺産。先人の遺物。
2 時代遅れのもの。「レガシーシステム」

今朝、安部総理が、東京オリンピックについて、新たに建造するスポーツ施設や、2020年のオリンピックで示される人々のおもてなしの精神を、新たに作り出していくレガシイにすると語っていた。

この場合、レガシイとは、未来志向の考えであり、未来の人々から見た、先ほどの1の意味の使い方である。

はて、ここで、今、自分が行っている仕事が、未来の人々から見たら、良い意味で遺産、遺物と言えるものだろうか?と、考えた・・・

当社は、手前味噌ではあるが、23年ほど前に熊本城の天守閣の左官工事を手がけた。当時は、ゼネコンが前田建設の元、㈱カワゴエが左官工事を受けて、そのもとで、㈱オオタは、大天守の瓦しっくい工事に携わった。

昨年4月に熊本震災が起きて、熊本城の天守閣は、大きく修復しなければならない状況になった。再び、熊本城の天守閣の仕事の話が㈱オオタにも来ている。今回は、ゼネコンは、大林組、左官の専門業者は、前回と同じカワゴエ、そのカワゴエからの依頼である。

今回は、前回と違って、㈱オオタは、この20年ほど、瓦の漆喰工事や、なまこ壁などの経験はほとんどない。しかし、それ以前に、在来の左官工法をやっていた職人が、5~6人はいる。その人たちは、23年前の天守閣のなまこ壁の仕事をしていたのである。

経験の長い職人たちは、日本古来の仕事の仕方を知っている。彼らの技術を、2の意味の時代遅れのものにしてはいけない。

㈱オオタは、新たなレガシイを作り出す仕事をしていく。彼らの役割は、そのレガシイを作り出す担い手である。

実際の熊本城の天守閣の左官工事は、今年9月ほどから始まる・・・

2017年1月10日