30年ほど前にテレビドラマの中で使われた曲で、ECHOESの「ZOO」というのがあった。動物たちを擬人化して、人間関係の様々な場面を表している内容だったと思う。出てくる動物は、フクロウ、カメレオン、ニワトリ、ウサギ、こうもり、ハクチョウ、ペンギン、ナマケモノ、フラミンゴ、ハイエナ、サル、ライオン、ハイエナ・・・等々多士済々である。
その歌詞のメッセージは、「愛をください」というものである。動物たちは、人間の愛を必要としている。しかし、動物たちだけでなく、人間も互いに「愛」を必要としている。その愛が欠けるときに、様々な問題が生じるのだ。
この歌のメッセージの中に、動物たちの笑いを引き出すヒントが隠されているのかもしれない・・・
物事には、始まりがあって終わりがある。このことを聞くと、普通の人はそれだけで終わるのかもしれない。しかし、このことを単なる事実としてだけでなく、いろいろな状況に当てはめて、方程式を組み立ててみようと思う。
まず、スタートから考えよう。
自分を変えようと思うならば、自分がどんな人間であるかを知らなければならない。
子どもは自分がどんな人間か知らない場合が多い。しかし、大人になれば、自分で自分のことを評価するのと他の人が自分を評価するのとでは、ずいぶん違っていることに気づくことがある。
心理学でジョハリの窓というものがある。自己には「公開されている自己」(open self) と「隠されている自己」(hidden self) があると共に、「自分は知らないが他人は知っている自己」(blind self) や「誰にも知られていない自己」(unknown self) もあると考えられる。
これらを障子の格子のように図解し、格子をその四角の枠に固定されていないものとして、格子のみ移動しながら考えると、誰にも知られていない自己が小さくなれば、それはフィードバックされているという事であるし、公開された自己が大きくなれば、それは自己開示が進んでいるととる事が出来るだろう。(ウキペディア引用)
と、なっている。
要は、自分を知ることから始まるのである。
次に必要なことは、なりたい自分、こうありたい自分について描くのである。これがゴールにあたる。目的である。なりたい自分、こうありたい自分については、画像のように描くことが大切である。できれば、動画であることをお勧めする。このなりたい自分、なっている自分をどれだけ描くかによって、それが実現できるように人間の潜在意識は働いていくのである。そう、思考は現実化するのだ。
この目的が明らかになれば、スタートとゴールがはっきりしてくる。さて、今度は何が必要だろうか?それは、目標設定である。各段階の目標を設定して、なりたい自分のあるべき姿を明らかにしていくことである。
目標はどのように達成していくのだろうか。よく営業会議で話されるのに、戦略会議というものがある。しかし、戦術会議というものはあまり聞いたことがない。では、戦略と戦術、どう違うのだろうか?
戦略とは、一般的には特定の目的を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術・科学であると、されている。一方、戦術とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術である。そこから派生して、言葉としては競技や経済・経営、討論・交渉などの競争における戦い方をも意味するようになる・・・となっている。
目標を設定することによって、この戦略と戦術が必要になってくる。
戦略は、関係する全員のゴールに向かう方向性を一致させるために必要なことであるが、戦術は、チームや個人の経験差、技術の差によって違ってくるのである。
よって、何かを行う場合、全員が同じ目的を持っているのであれば、次のように物事を進めることをお勧めしたい。
① スタート時点を確認する。現状、現実は、どうなっているのだろうか?
② ゴールを設定する。個人として、あるいはチームとしてなりたい状態はどんなものであるか?
③ そのための手段は何か?その手段を使っていくときに必要な戦略、戦術は何か?
この①②③を順番にやっていくことが、方程式である。
この方程式は、いろいろな状況に当てはめることが出来る。そして、会議において、会議の流れとして、一つの問題解決のやり方にすることをお勧めしたい。
以前、WHY(ホワイ)から始める!について、簡単に触れたことがある。今回は、もっと詳しく紹介しようと思う。サイモン・シネックが述べていることである。
人の心を動かす話をするのには、まず、相手の心をとらえるために、自分が「なぜ」そのことをするのか?自分が「なぜ」それを捉えたのか?理由を述べることから始まる。その話に多く人が共感できるなら、話は伝わっていく。しかしながら、その理由が、下衆(ゲス)な話であったり、動機レベルが低いところにあるならば、人々の共感を得ることが出来ない。
例えばこうである。
① 弊社は、世の中の人々の生活を豊かにするために、様々な研究をしてきました。今回、生活が便利になるサービスを提供できるように、それを、美しいパンフレットを用いて、皆さんに提供できます。そのサービスとは、これです。・・・
② 弊社は、取締役が豊かになって金持ちになり、プールや高級車を持てるような生活が出来るようにするために、サービスを提供してきました。新しいサービスもその目的のためです。そのサービスとは、これです。・・・
前者①は、もっともな話だが、後者②は、最悪である。人々は、利己的な理由を持つ人間のために心が動かされることはない。人は利己的な部分があるのは、致し方がないが、それ以上に、世のため、人のために、心を尽くす人に魅かれるのである。自分の行うことが、世の中を良くすること、人々を笑顔にすることを心がけるのである。
サイモン・シネックは、ユーチューブの動画の中で、キング牧師が語っていたことを次のように取り上げている。
「私は信じる。私は信じる。・・・自分たちの子らが白人、黒人という肌の色の違いを乗り越えて、仲良く遊んでいる姿を・・・私は信じる。私は信じる。人々が平和で幸せに暮らしている姿を・・・私は信じる。私は信じる・・・」
このように繰り返しているのである。人々の持つ「美しい心」に訴えなければ、人は動かない。しかも、あなたが純粋な気持ちを持っていなければならないのだ。あなたは利己的でなく、本当に、人を幸せにしよう、本当に、みんなが笑顔で生活できるようになりたい!と言う強い願望が必要である。
その志が、どこにあるか、どれほど大きいかで、人の器は決まってくるような気がする。
理由が、きちんと伝わったなら、次は、方法である。(HOW)
そして、最後に具体的に出来たサービスは、これです!(WHAT)と、続くのである。
いずれにしても、最初が肝心である。人の心を動かす話をするのには、まず、相手の心をとらえるために、自分が「なぜ」そのことをするのか?自分が「なぜ」それを捉えたのか?理由を述べることから始まる。多く人が共感できるなら、話は伝わっていくのだ。
ミスをしたときどうしたらよいか
さぁ新人に役立つ会議の2回目です。今回は、失敗をしたときどうすべきか動物立ち全員で考えてみました。
前回に比べ、最初から活発に意見が出てきました。みんな、自身の新人時代をあらかじめ振り返って会議に参加できたようです。幾つかの意見を取り上げますね。
「ミスを発見した時点で、いち早く報告し助けを求める」
「ミスの種類や度合いによって対応が異なるけれど、新人だけでは判断できない。相談役と呼べる直属の上司や先輩にまず報告相談して、それからさらに上の報告をしたほうが良い」
「ミスへの対応は会社によっても様々であるので勝手な対応をするのではなく、職場に適合することも求められる」
「あくまでも『仕事』と割り切ることによって余裕を生み、冷静になって対応できることもある」
「仕事に慣れてきたら、自分にできる範囲・裁量で自ら対応することも大切。『ミスが発生しましたが、○○で処理しました』という報告も大切になってくる」
ミスをきちんと報告する環境づくりの大切さについても意見が交わされました。
澄んだ川の動物代表:「医療現場では、とにかくミスは迅速に報告されなければいけません。でも、誰でもミスを報告するのには勇気がいります。怒られると萎縮して隠蔽してしまう可能性もあります。だから、ミスの報告があったら、まず報告したことを褒めるんです」
サバンナ代表:「ミスが起きたとき、厳しく責め立てるだけの職場環境だと、離職率の上昇にもつながりやすく、結果人財確保が難しくなることもあるんだぞう・・・」
日本の北の国代表:「ミスを他の人に責任転嫁するような職場だと、雰囲気も悪くなるし、ミスへの対応も進みません。ミスを認めて、速やかに対応に切り替えるほうが雰囲気も良くなるし、結果的にミス報告がしやすい職場環境になって行きますね。コンコン・・・」
前回同様に、「新社会人向けのアドバイスになるように」と会議の目的を明確にし、「ミスをしたとき」という具体的な状況を設定し事前に周知しました。おかげで、参加者はシチュエーションをイメージし、考えを導き出し、具体的な意見を準備することができました。短時間でも意義のある活気ある会議を持つことができたのです。
まだまだ、いろんな会議を開けそうですね!・・・イェーイ!
先輩に「いいね」と言われる報告相談術
さて、サバンナ代表の率いるチームでは、動物たちが「めんどうくさい」「時間ばかり取られる」と考えられがちな会議を、どうやって活気ある成果の伴うものにしようかと頭を悩ませています。
司会役の熱帯性動物代表はブレーンストーミングで出たみんなからの意見や印象を「特性要因図」にまとめてみました。熱帯性動物代表は「どうしたらみんなが積極的に発言するようになるか」という要因を会議のテーマにしました。しかし、参加者の反応は一般的なものばかりで、会議は盛り上がりません。ぼんやりとした質問には、ぼんやりとした答えしか返ってこないのでした。
すると、ペット代表:「会議の内容を誰に向かって伝えるか決めませんか?社会に出たばかりで戸惑うことの多い新社会人に向けてと考えてみてはどうでしょう」と提案しました。誰のために議論するのか具体的にすることで議題も絞りやすくなり、意見が出やすくなると言うのです。
動物たちは、特に新社会人が戸惑いやすい会社での報告・相談のあり方について考えてみることにしました。
司会の 熱帯性動物代表氏 :「やっぱり大きな声での挨拶じゃないかな。自分の名前をはっきり言って発言することは大事だと思うな」
営業に長けた夜行性動物代表さん:「『社内営業』という言葉があるように、会議やプレゼン前の『根回し』も大切だよ。ネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれないけれど、キーパーソンに事前に相談しておくことでスムーズに受け入れてもらうことができる」
ペット代表:「報告は結果からと言われますが、相手の反応を見極めながら、優先順位を考えることもありますよね」
サバンナ代表:「報告の手段にも3つあるね。口頭、メモ、メールだ。口頭は即座には相手の反応がわかるけれど、メモやメールは相手が読む時間を決めることができる。メールは自分が送ったつもりになっていても相手が見逃すこともあるよ。『伝えたつもり』は危険、確実に伝わったかを確認することも大切だ」と・・・
医療現場で働いた経験がある澄んだ川の動物代表:
「例えば『熱帯性動物代表が40度の発熱』では内容不足ですね。いつどんな状況下で発熱しているのか、経過も踏まえて報告しないとダメです。医療現場では対応をしないといけないから、それまでの状況を見ていない人でも正しい対応ができる報告が必要」
みんな:「なるほど、なるほど、働く現場によっても報告のやり方には違いがあるんだね」
短い間に、たくさんの具体的な意見が出ました。
「新社会人へのアドバイスのため」という会議の目的を明確にすることによって、自分たち一人ひとりが新人だったころを思い出すことが可能になり、活発な発言につながっていったのでした。
「結果を出す会議」にすぐ変えるフレームワーク(小野裕子:著)によると、会議は、いつでもどこでもできると書いてある。その内容はと言うと、自分と対話し、自分の頭の中をすっきりさせる目的で、「ひとり会議」が進められている。そのやりかたを紹介しよう。
① 「ひとり会議」ノートを用意する
② 何に意識を傾けるか、1枚目の真ん中に書く
③ 見開きの左ページに「事実」を集める
④ 見開きの右側にアイデアや疑問など「自分の解釈」を集める
⑤ 記入したものをパラパラめくりながら「眺める」
⑥ これだ!ということを思いついたとき、見開きの左側を空白にし、右側に書き留める
⑦ 「これだ!」についての関連情報を後から左側に集める
なるほど、こうしたやりかたもあるのか?そう思いながら、小野ゆうこさんの本を読むと、こんな紹介もあった。
それは、2人で取り組む「2人セッション型」会議である。
誰かに相談されたりした場合に使える会議である。ポイントをいくつか示そう。
・問題を抱える人が自ら解決できるように助ける
・解決者(=相談者)は、素直に自分と向き合う
・付き添う人は問題解決に関与しない伴走者の役割をする
・伴走者は自ら解決する人のための環境づくりが仕事である
・自分の内面から得られた解決は、一番価値がある
要するに、相談を受けた人は、わかっていても答えを与えないのである。その人が、自ら解決策に気づくように助けるのである。
具体的に伴走者は、どんな質問と問いかけると良いのだろうか?
・何が実現していますか?
・何を約束していますか?
・ひと言で言うと?
・一分間スピーチにまとめるとしたら?
・起きてはいけないことは何ですか?
・なぜあなたがやるの?
・極端にするとどうなるの?
・そもそもの始まりは何ですか?
事実、理想、理由などを問いかけると良いのである。
さらにその本では、3人でチームを作ることについても触れられている。3人の状態は、アイデアや意見を出す「責任」を感じられ、また互いの意見を利用、活用する、調和を見出す方向に対話が進みやすくなるとも書かれている。
要するに、「会議」と言うと非常に堅苦しく感じるものだが、実際の生活の場において、1人から始めて、「会議」は楽しいものにすることが出来るのだ・・・