会議を開いていて、一番困るのは、モンスタークレーマーが存在することだ。これまでに私が経験したことで、マンションの管理組合が住民のために開く会議に参加したときに、あるクレーマーに対して、ただただ頭を下げるだけで、何も言えなくなる状況を見てきた。では、今までに存在したクレーマーの中で、最もたちの悪い存在とは何だろうか?実は、ユダヤ教、キリスト教の聖典と言われる「聖書」の中のヨブ記に記されている。
ヨブ記の一章には、天での会議が開かれた際、全能者なる神と天使たちが集まっているその中に、サタン悪魔と呼ばれる者が突然現れたことが記されている。神々の会合の場に、突然、モンスタークレーマーが出現したのである。サタンと言うのは、反抗するもの、反逆者を意味している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ヨブ記1章6節~・・・・・・・・・・・・・・・1
1:6ある日、神の子らが主の前に来て立ったとき、サタンも来てその中にいた。
1:7主はサタンに仰せられた。「おまえはどこから来たのか。」サタンは主に答えて言った。「地を行き巡り、そこを歩き回って来ました。」
1:8 主はサタンに仰せられた。「おまえはわたしのしもべヨブに心を留めたか。彼のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいないのだが。」
1:9 サタンは主に答えて言った。「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。1:10 あなたは彼と、その家とそのすべての持ち物との回りに、垣を巡らしたではありませんか。あなたが彼の手のわざを祝福されたので、彼の家畜は地にふえ広がっています。1:11 しかし、あなたの手を伸べ、彼のすべての持ち物を打ってください。彼はきっと、あなたに向かってのろうに違いありません。」
1:12 主はサタンに仰せられた。「では、彼のすべての持ち物をおまえの手に任せよう。ただ彼の身に手を伸ばしてはならない。」そこで、サタンは主の前から出て行った。
1:13 ある日、彼の息子、娘たちが、一番上の兄の家で食事をしたり、ぶどう酒を飲んだりしていたとき、1:14 使いがヨブのところに来て言った。「牛が耕し、そのそばで、ろばが草を食べていましたが、1:15 シェバ人が襲いかかり、これを奪い、若い者たちを剣の刃で打ち殺しました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」1:16 この者がまだ話している間に、他のひとりが来て言った。「神の火が天から下り、羊と若い者たちを焼き尽くしました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」1:17 この者がまだ話している間に、また他のひとりが来て言った。「カルデヤ人が三組になって、らくだを襲い、これを奪い、若い者たちを剣の刃で打ち殺しました。私ひとりだけがのがれて、お知らせするのです。」1:18 この者がまだ話している間に、また他のひとりが来て言った。「あなたのご子息や娘さんたちは一番上のお兄さんの家で、食事をしたりぶどう酒を飲んだりしておられました。1:19 そこへ荒野のほうから大風が吹いて来て、家の四隅を打ち、それがお若い方々の上に倒れたので、みなさまは死なれました。私ひとりだけがのがれて、あなたにお知らせするのです。」1:20a このとき、ヨブは立ち上がり、その上着を引き裂き、頭をそり、地にひれ伏して礼拝し、1:20b 「私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう。主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな。」1:22 ヨブはこのようになっても罪を犯さず、神に愚痴をこぼさなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ヨブ記1章22節・・・・・・・・・・・・・・・・1
天の集会の際に、他の者を差し置いて、神に対してモンスタークレーマーとなったサタンは、ヨブが祝福を受けているのは、あなた(神)が、祝福をしているからだ!と、主張します。
それに対して、神はヨブに対して災難をもたらすことを許されます。その後、どうなるでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・ヨブ記2章1節~・・・・・・・・・・・・・・・2
2:1 ある日のこと、神の子らが主の前に来て立ったとき、サタンもいっしょに来て、主の前に立った。2:2 主はサタンに仰せられた。「おまえはどこから来たのか。」サタンは主に答えて言った。「地を行き巡り、そこを歩き回って来ました。」2:3 主はサタンに仰せられた。「おまえはわたしのしもべヨブに心を留めたか。彼のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいない。彼はなお、自分の誠実を堅く保っている。おまえは、わたしをそそのかして、何の理由もないのに彼を滅ぼそうとしたが。」2:4 サタンは主に答えて言った。「皮の代わりには皮をもってします。人は自分のいのちの代わりには、すべての持ち物を与えるものです。2:5 しかし、今あなたの手を伸べ、彼の骨と肉とを打ってください。彼はきっと、あなたをのろうに違いありません。」2:6 主はサタンに仰せられた。「では、彼をおまえの手に任せる。ただ彼のいのちには触れるな。」2:7 サタンは主の前から出て行き、ヨブの足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で彼を打った。2:8 ヨブは土器のかけらを取って自分の身をかき、また灰の中にすわった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・ヨブ記2章8節・・・・・・・・・・・・・・・・2
このように物語は、進んでいきます。多くの批評家たちは、ヨブ記が難解な書物であると言います。「人が神に仕えるのは、神から祝福があるからだ!」と、サタンは主張します。まぁ、言ってみれば、あの人たちは、優遇されているから一生懸命仕事するんだよなぁ・・・と、言ってる感じです。その後どうなったかについては、ヨブ記を読めばわかるはずです。
いずれにしても、モンスタークレーマーは、急きょ、会議に出席し、その場を独占してしまい、自分の我を通そうとする・・・と言う特徴がつかめます。そんな人が、会議に参加した場合は、「くわばら、くわばら・・・」と、言って逃げることですな・・・