強い組織を作るために・・・

強い組織を作るために何が出来るか?と言うと、「多能工」の仕組みを考案したトヨタ自動車の大野耐一元副社長のことを考える。

大野氏は、紡織工場では女子工員が1人で数十台の織機を操作していたのに対して、当時の自動車生産の現場では工員1人が1台の工作機械しか扱っていないことを課題と考え、工作機械の“多台持ち”を発案、さらに1人が複数の異なる工程を受け持つ“多工持ち”化を進め、ここから多能工の概念が生まれたといわれている。

このやり方を他の会社でも当てはめることが出来るのか?例えば、事務職で会社の社長が求人をしたとする。面接に来た人が、①、一般事務しかできない人と、②、一般事務のほかにもパソコンで経理が出来るとなると、当然、②、の人を採用するだろう。私なら、絶対そうする。

実際、弊社の事務員の一人は、一般事務だけでなく、テレアポを取れたり、ホームページの内容を更新したり、新たに作ったり、イラストを作成したりできる。別の社員は、一般事務だけでなく、テレアポを取れたり、経理も勉強しながら出来るようになっている。

要は、一つしか出来ない人は、今の時代、会社として必要とされていないということである。特に中小企業の場合、基本となる仕事をしながら、他にもいろいろなことが出来る必要がある。

そのように自分に出来ることの枠を広げることによって、人は自尊心を高めることが出来る。そう、仕事にプライドを持って取り組むことが出来るのだ。そうすることによって、社内の各人が生き生きとして強い組織を構築していくことになる。仕事に関して、社内でいろいろな資格を取らせることも助けになるだろう。

単能工から多能工、そして、さらに一人屋台と言う考えもある。一人屋台と言うのは、一人で、すべての工程が出来るようになるということである。

こうした過程を踏んで構築すれば、強い組織を作っていくことになる。

2018年2月21日