質問の使い方と会議

営業の人間は、戦場に出かける兵士のようである。文字通りの兵士は、自分の身を守る戦闘服を身に着け、武器を手にしている。では、営業の人間にとって、戦闘服や武器は、どのような意味を持っているのだろうか?

一般的に考えるのは、ビジネススーツを身に着け、会社のパンフレット、名刺、プレゼン用の資料などが武器である、と思っている。ところがどっこい、成果を出すビジネスマンは、違っている。ビジネススーツを着こなし、名刺を差し出すまでは、同じであるが、それからが違っている。相手の話に相槌を打ちながらも、質問を所々で用いていくのである。それは、相手の話があっちに行ったり、こっちに行ったりすることを防ぐために時々、誘導質問をしているのである。しかし、賢明なビジネスマンは、相手を誘導しているとは思わせないようにする。目的は、この人は、何を必要としているのだろうか?と言うことだけを考えながら「顧客の必要を知る」ということを心がける。

そう、「質問やたとえ話」は、戦場で戦う兵士のように、営業の人間が使える武器である。ちょうど、銃の玉のようなものだ!この銃を使いこなさなければならない。今回は、特に「質問」について考えてみよう。

質問は、大きく分けて、二つに大別される。
一つは、クローズドクエッション。もう一つは、オープンクエスチョン。聞きなれない言葉ですか?説明しましょう。

クローズドクエスチョン・・・イエスかノーでしか答えられないような質問。あるいは、AかBを選ばせるような質問のことを言います。話の導入部分では効果的であっても、あまり使い過ぎると、相手に不快感を抱かせるのです。一つの思考の型にはめ込もうとするので、相手が嫌がるのです。

オープンクエスチョン・・・相手が一定方向に話が進むようであるならば、AかBを選んでいただくクローズドクエスチョンを用いていきますが、ある程度の段階で、オープンクエスチョンを用います。オープンクエスチョンとは、相手の思いのたけを語ってもらう。と言うことです。相手が、なぜそう思うのか?または、どうしたいのか?自由に語ってもらいます。そうする質問がオープンクエスチョンです。

いかがでしょうか?成果を出すビジネスマンが会社のパンフレットや、プレゼン資料にいかに頼っていないことを理解できましたか?

このことは、有意義な会議を開くときに、どのように適用できるのでしょうか?

実は、会議の司会者の役割が、成果を出すビジネスマンと同じである、と言うことです。司会者が、話の最初に、参加者の関心を引き付けるクローズドクエスチョンであるイエス、ノーを確認する質問から始めて、皆の集中力が出てきたところで、オープンクエスチョンを用い、自由に発言してもらえるようにする。と言うことです。資料は事前に作ってはいますが、決して資料には頼らないのです。

もうお判りでしょうか?

常に有意義な会議を開ける組織であれば、逆に、優れた営業マンを生み出すことが出来るのだ!と言うことです。逆もまた真なりです。

2018年2月12日

営業の基本とは?

会社の会議の中で、営業会議は非常に重要なものです。営業が走らなければ、どんなに事務方がしっかりしていても、会社の生産性はあがりません。当然、会社の会議の主要なものは、営業会議だと言えます。しかしながら、この営業会議をどれほど重要視しているでしょうか?また、営業の基本となる部分とはなんでしょうか?

多くの会社で見られるのが、目標を掲げて、「これこれを達成します!」と、声高に宣言します。精神論で目標達成を唱えていることもよくある形です。また、数字を分析して、予測を立てるということもあるでしょう。そのこと自体は、非常に良いことですし、しなければならないことだと言えます。しかしながら、営業の基本が分かっていなければ、営業会議を開く時に、無駄な時間を費やしてしまうことを覚えておかなかればなりません。

では、営業の基本とはなんでしょうか?ドラッカーのマネジメントを読むと、経営に必要なことが2つ出てきます。それは、「顧客の創造」と、「イノベーション」です。

企業にとって社会やコミュニティ、個人は、ひとくくりに「顧客」と表現できるでしょう。したがって、企業は顧客のニーズを満たし続けなければなりません。

 これは言い換えると、顧客の創造(to create a customer)が企業にとって唯一の目的になるということに他なりません。そして、この顧客創造のために企業がもつべき機能はたった二つだけだとドラッカーは指摘します。マーケティングとイノベーションがそれです。

 マーケティングとは、顧客のニーズを探り、対応する製品やサービスを提供する機能です。一方、イノベーションとは、顧客の新しい満足を創り出していく機能を指します。したがって、企業のマネジメントは、このマーケティングとイノベーションという二つを有効に機能させることが、最重要の命題となるわけです。

顧客が何を欲しているのか?そのことを十分に営業会議で話し合っているでしょうか?営業の人間は、より多くの人と接することによって、人々が必要としていることはなんであるか情報を仕入れなければなりません。最初から、人々に会って、自社の商品を売っていてはダメです。まずは、リサーチに徹することです。顧客は、何を欲しているのでしょうか?実は、人々が欲しているのは、製品やサービスではなく、問題の解決策を買うということを覚えておかなければなりません。

繰り返して言います。人は、製品やサービスではなく、それらを通して問題の解決策を買うのです。

しかも、営業の場合、「あなた」と言うフィルターを通して、問題の解決策を買うのです。

ですから、あなたの商品の説明が上手であるとか、会社のサービスが素晴らしいといっても、相手はそんなに興味を示さないのです。「あなた」の誠実な人柄であるとか、人間性を見るのです。

特に、下手な営業の人は、すぐに価格勝負に出ます。「安ければ人は買う。」と、単純に思っているのです。しかし、それは、多くの人が願っていることではない。ということも覚えておきましょう。

こうした、営業の基本的なことを理解した上で、営業会議に臨むと、有意義な会議となるのです。

2018年2月12日

目標と目的と手段・・・混合しない!

よく日本人は、目的と手段をごっちゃにすると言われるのを聴いたことがないだろうか?目的と目標と手段と言う言葉は、辞書で調べるとその違いは簡単にわかります。しかしながら、日常の生活の中で、これらがあいまいになったり勘違いしたりして、生活上の様々な問題に陥っている人たちがいます。まずは、目的と目標と手段の違いについておさらいしましょう。

目的・・・物事の最終ゴール。この目的のために人は物事を行っていくのである。自分は、なぜ、そのことを行うのか?WHY(ホワイ)の部分である。一番大切な部分だ。
目標・・・目的に達するためのそれぞれの段階の里程標。数値目標と言う言葉があるが、物事全体の何パーセント出来たか?など、数字で見ることが出来る指標と言える。
手段・・・物事のやりかた。方法。金鉱脈を探り当てるのに、昔の人はスコップとつるはしを必要としただろう。そのスコップやつるはしにあたるものが手段である。

上記のような指針はすぐに理解できる。しかしながら、実生活においてなぜか、目的や手段がごっちゃになっている人が多いのである。そして、それらの人は、生活上のいろいろなトラブルに巻き込まれて、四苦八苦している場合が多い。具体的には、次のような場合である。

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・「家族が幸せになりたい」と思いながら、お金を稼ぐことがあまりにも頭の中を支配して、お金を稼ぐこと自体が目的になっている人がいる。
・素敵な異性に巡り合いたい思いながらも、異性との遊び自体が目的になってしまい、だらしない生き方をしている。
・仕事で成果を出したいと思いながらも、結果を出せずに、ただただ忙しいばかりの自分に満足している。
・人の成長を願う気持ちが強く、人に忠告したり、教えたりすることばかりで、人のアラを探し出すことが習慣になってしまっている自分がいる。
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いかがでしょうか?なりたい自分になっているでしょうか?目的と手段を間違うと、ボタンの掛け違いをしたシャツを着ているかのように、変な外観になってしまうのです。

特に、お金は、人が幸福になるのに必要な手段なのに、お金を稼ぐことを目的としている人があまりにも多いので、生活がぎこちなくなるのです。このことだけは、しっかりと覚えておきましょう。

2018年2月9日

WHY(ホワイ)から始める!

人々の心を動かす話は、どうすればよいのでしょうか?サイモン シネックがシンプルで強力なモデルを使って周りを動かすリーダーシップについて説明します。

いつも商品の説明から話を始める人がいるのなら、この動画を見てください。

劇的に話の仕方が変わるはずです。

ここを見よ↓
https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action?language=ja#t-369424

2018年2月6日

時間の価値を最大限に活用する

世の中の会議の多くは、時間を気にして、会議の有効な進め方、無駄な時間を作らないように心がけるアドバイスで満ちている。しかし、『孫子』の兵法によると、時間の概念に関して、違った捉え方をしている。『孫子』の兵法は、戦争に勝つための書物である。戦争は、勝たなければならない。したがって、長期戦になることを避けて早期に終結させることが、国民や国家にとって、大切なことであり、そうしなければ、民が長い間、苦しむのである。

そうしたことを踏まえて、時間を最大限に捉えて、だらだらと時間を使うことなどできない。チャンスが来た時に、最大限に時間を使って、そうでないときは、別のことをすればよいのである。

事務職の人間が、時給で人生を考えるのに対して、営業職の人間は、成果で人生を考えると言える。自分の時間の使い方が多少うまくいっても、それによって、大きな成果を生み出すことは出来ない。しかし、チャンスをものして、その一瞬で人生を劇的に変えることは出来る。それが、営業を行う者の時間の捉え方である。

『孫子』は、時間の価値が変動することを見抜いていたので、チャンスが訪れた時に、成果を上げることの大切さを認識していた。よって、会議も大切な時に、どれだけ優れた判断に導けるかがカギである。

『孫子』の考えはこうである。・・・勝利する条件がない時は、守りを固めなければならない。逆に、勝機を見出した時は、すかさず攻勢に転じなければならない。つまり、守りを固めるのは、自軍が劣勢な時であり、攻勢に出るのは、自軍が優勢な場合である・・・

勝機がある瞬間の時間は、すかさず、行動する価値がある。ほんの数分、数時間、数日で人生が変わることがある。

この時間の捉え方こそが、有意義な会議を進めるポイントの一つであるだろう!

2018年2月6日

仕事の効率を上げる優先順位のつけ方

仕事を何でも引き受けて、いっぱいいっぱいになっている人がいるかと思うと、たくさんの仕事を引き受けても悠々としている人もいる。どこがどう違うのだろうか。

 仕事がたくさんある場合は、まず今抱えている仕事を表にしてみよう。そして、4つのキーワードから分類してみることだ。

① 重要であり、緊急性が高い
② 重要であるが、緊急性は高くない
③ 重要でないが、緊急性は高い
④ 重要でなく、緊急性も低い

大抵このあたりを瞬時に判断して対応するのが経営者であるが、まだまだ経験の浅い人はどうすれば良いのか?それは、効果的な仕事をしている人の真似することである。特に企画の仕事をしている人などの中には、優先順位をつけてすずしい顔で仕事をしている人が多い。

先ほど挙げた①~④の分類を述べた。そして、①~④は優先順位を表しているのだが、②番目と③番目が逆になることが多々見られる。1年程前に、横浜のスタッフに電話をしたとき、その人が駅の構内を走っていてハァハァと息を切らしながら電話に出るのである。留学生がトラブルを起こしているというのだ。確かに重要ではないが、緊急性は高いということになるだろうが、別に駅の構内で走らなくても、この会社の代表が電話をしてきたのだから、少し歩いて話せば良い。②と③が逆である。

もう一つできることは、仕事の効率が悪い人は、優先順位の低い仕事を抱え込んでしまうのだ。恐らく、同僚や後輩でもできる仕事を自分がしないと収まらないと思っているのだろうか?その場合、より重要な仕事は自分が行い、簡単な仕事は他の人に任せるようにすると良い。しかし、相手のことを考えて、ケアすることを忘れないようにしたい。

2018年1月30日

2回目

何か目標を設定し、全員で共有していくやり方にブレーンストーミングと言う方法がある。やや大きめの付箋を使って、記入してもらう。ブレーンストーミングとは、各人が自由に思いついたままに、一つの問いかけに対して答える方法である。それらをまとめて、相関図を作り、さらにカテゴリーごとに分類して、特性要因図を作成する。このようにして、複数の人のコンセンサス(合意)をへて、物事の方向性をはっきりさせる。

大きな流れから、小さな流れに至るまで、ブレーンストーミングを使う事によって、それまでに考えつかなかったアイデアに至る場合がある。弊社のこのやり方を取り入れて、会議を楽しくするエッセイを作っていこうと思っている。

ただし、この方法をとるときは、次の点に注意しなければならない。

  1. 他の人の発言に対して批判してはならない。
  2. 自分の意見が絶対だという見方を表さない
  3. 意見を出すのに、個人差があることを認めなければならない。
  4. 会議の司会者や、決定権者がいる場合、それらの人によって話し合いの方向性が決定づけられないようにする。

などである。特性要因図が出来たなら、次は、優先順序を付けることである。

この点については、次回に取り上げたいと思う。

2018年1月29日

会議は踊る、されど会議は進まず・・・

この言葉は、ナポレオン戦争の戦後処理と新たな国際秩序の建設を巡るオーストラリア外相メッテルニヒ主催のウィーン会議(1814~1815)が、晩餐会、舞踏会、音楽会三昧で一向に議事が進行しない様を風刺した言葉と言われています。

あなたが進める会議が、こうしたことになっていないでしょうか?

今回より、会社の中で進める会議のあり方、学校やコミュニティーでの会議のあり方、進め方、PTAや主婦の方が自分たちで開くホームパーティについてなど、幅広く適用でき、なるほど!と、言わせるような内容にしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

ちなみに、今回、第一回目は、・・・

会議の場所を、コーディネートする!・・・についてです。

もし、あなたが、会社の社長であれば、会議室をどのようにコーディネートしているでしょうか?やはり、会議が楽しくなる工夫は、必要です。できれば、天井は、低いよりも高いほうが良いです。高さが240センチよりも270センチ以上あったほうが良いでしょう。また、壁紙は、寒色よりも暖色を使ったほうが良いと思います。

直接照明より、間接照明を使ったほうが良いかもしれず、天井からの照明であっても、LEDライトを使って、露出しなければ、柔らかい光になるでしょう。

スピーカーを使うのであれば、天井にスピーカーを付けると、非常に疲れることを覚えておきましょう。前の演壇の両側にあって、対等なところから音が出るようにして、音質にも気を付けましょう。マイクがハウリングなど起こさないように、注意も必要です。

椅子と、テーブルにも注意を払いましょう。基本的に、四角いテーブルは、議論を尽くすときに適切であり、円満に話をまとめたい場合、丸いテーブルを使うと良いと言われています。

テーブルの色や、椅子の色も、会議室の雰囲気に合ったものにしましょう。白を基調にして、赤やオレンジ、黄色を取り入れても良いですよ。何か、ポップな感じが必要です。決まりきった会議にならないようにしましょう。

創造的な仕事をするクリエーターたちは、非常に自由な空間の中で、会議を開く場合があります。お金に余裕があるなら、北欧の会議用家具などを検討するのも良いかと思います。

いずれにしても、型からでも良いですので、会議を有意義に進めることを考えましょう・・・

2018年1月23日