…動物たちの笑い…新人のための会議1 

先輩に「いいね」と言われる報告相談術

 さて、サバンナ代表の率いるチームでは、動物たちが「めんどうくさい」「時間ばかり取られる」と考えられがちな会議を、どうやって活気ある成果の伴うものにしようかと頭を悩ませています。

 司会役の熱帯性動物代表はブレーンストーミングで出たみんなからの意見や印象を「特性要因図」にまとめてみました。熱帯性動物代表は「どうしたらみんなが積極的に発言するようになるか」という要因を会議のテーマにしました。しかし、参加者の反応は一般的なものばかりで、会議は盛り上がりません。ぼんやりとした質問には、ぼんやりとした答えしか返ってこないのでした。

 すると、ペット代表:「会議の内容を誰に向かって伝えるか決めませんか?社会に出たばかりで戸惑うことの多い新社会人に向けてと考えてみてはどうでしょう」と提案しました。誰のために議論するのか具体的にすることで議題も絞りやすくなり、意見が出やすくなると言うのです。

 動物たちは、特に新社会人が戸惑いやすい会社での報告・相談のあり方について考えてみることにしました。

 司会の 熱帯性動物代表氏 :「やっぱり大きな声での挨拶じゃないかな。自分の名前をはっきり言って発言することは大事だと思うな」

 営業に長けた夜行性動物代表さん:「『社内営業』という言葉があるように、会議やプレゼン前の『根回し』も大切だよ。ネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれないけれど、キーパーソンに事前に相談しておくことでスムーズに受け入れてもらうことができる」

 ペット代表:「報告は結果からと言われますが、相手の反応を見極めながら、優先順位を考えることもありますよね」

 サバンナ代表:「報告の手段にも3つあるね。口頭、メモ、メールだ。口頭は即座には相手の反応がわかるけれど、メモやメールは相手が読む時間を決めることができる。メールは自分が送ったつもりになっていても相手が見逃すこともあるよ。『伝えたつもり』は危険、確実に伝わったかを確認することも大切だ」と・・・

 医療現場で働いた経験がある澄んだ川の動物代表:
「例えば『熱帯性動物代表が40度の発熱』では内容不足ですね。いつどんな状況下で発熱しているのか、経過も踏まえて報告しないとダメです。医療現場では対応をしないといけないから、それまでの状況を見ていない人でも正しい対応ができる報告が必要」

 みんな:「なるほど、なるほど、働く現場によっても報告のやり方には違いがあるんだね」
 短い間に、たくさんの具体的な意見が出ました。

「新社会人へのアドバイスのため」という会議の目的を明確にすることによって、自分たち一人ひとりが新人だったころを思い出すことが可能になり、活発な発言につながっていったのでした。

2018年3月5日