ワンピース世代とガンダム世代

これまで、会社の中で中心だったのは、ガンダム世代と呼ばれている。これは、アニメ『機動戦士ガンダム』を少年期に観て1980年代に社会へ出た世代(57~67年生まれ/現在45~55歳)のことである。 一方のワンピース世代は、80年代に生まれて、マンガ『ONE PIECE』とともに育った世代(現在23歳~33歳)だという。ちょうど、ゆとり世代ともかぶってくる。

今の20代の「ワンピース世代」は自由と仲間に価値を置き、40代「ガンダム世代」は理不尽な組織にとらわれているとも言われている。

今の日本で、このガンダム世代とワンピース世代が混在しているのが、会社組織だそうだ。ワンピースというマンガは、海賊王になろうと自分で決めて海に出た主人公ルフィが、一人ひとり仲間を増やしていって、今は8人の仲間たちと新世界に向けて自分たちの海賊船で航海を続けていくストーリーである。20代30代の人たちを見ていると、ワンピースのストーリーに近い行動を取っている若者たちが多いのに気づかされる。

ワンピース世代の若者たちは、仲間を少人数持っていて、その仲間で自分たちの日々の暮らしや人生における第一軸を作る。「上の世代」にとっては所属する組織が第一軸なのに、彼らはそうではない。会社や組織は第二軸になっているのだ。

ガンダムは、宇宙世紀と呼ばれる未来の世界を舞台にして、それまで子供向けだったロボットアニメを一気に大人向けにした作品である。大人向けの作品だけに、現実世界に近い権力闘争や組織同士の抗争も繰り広げられる。地球連邦軍に属する主人公アムロ・レイといったヒーローが出てくるとともに、敵対するジオン公国軍の中に、シャアというこれも人気の高いキャラクターが出てきて、おのおの自分の信念に従って、1年戦争と呼ばれる未来の宇宙での戦争を互いに戦い抜くというものだ。

では、どうすればガンダム世代とワンピース世代をまとめて、一つの会社として経営していくことが出来るだろうか?

私が思うに、ガンダム世代とワンピース世代のハイブリッド種を生み出すことが必要である、と感じている。それは、組織の中での自分の役割を認めつつも、個人として目標を持ち、仲間を作れる人である。と言うことだ。なかなか個性的な人物が出来てきそうだが、そうした人たちが、会社の中で中心的な役割を果たすような気がしてならない。

2019年2月26日