左官(さかん)とは、建物の壁や床、土塀などを、こてを使って塗り仕上げる職種のことです。

明日を創る。夢を創る。

左官の仕事は、明日を創る。家屋には壁があります。
壁は建物の構造を保つとともに、美しさを表しています。
建築工事は「躯体・仕上・設備」という段階を踏んで行われますが、左官はその中で仕上工事を受け持ち、材料の練り混ぜ、施工個所への搬送、壁面への塗り付け施工の工事をします。
左官は、古くから仕上工事を受け持った伝統があるので、建物の仕上げ工事の責任を担っています。左官の仕事は、建築仕上の優劣を決めるポイントを握っていると言ってもいいでしょう。
左官は「建物の夢を創る」という楽しみがある仕事です。

左官の鏝

「鏝(コテ)とは、コが土を和するを云いて、テとがこれを執て塗るをいうなり」と、新井白石の東稚※に記している。

 日本の鏝は、鏝先角度が直角とせず、また、肩部分が直線でなく、微妙な曲線を織りなしていて、日本刀の切っ先をイメージできる。形状が欧米の鏝と異なる理由は、日本の壁が真壁であったことと考えられる。柱隅や鴨居の散際、また、柱と鴨居の角で鏝が拘束されるが、この微妙な曲線を利用して鏝さばきを可能にさせることが出来る。さらに、鏝の先端部分が直角でなく、多少鋭角であるために、柱と鴨居の散際で微妙に材料の移動を可能にさせることができる。

 ※「東稚」とは、江戸中期の語学書。20巻。新井白石著。享保2年(1717)成立。中国の「爾雅(じが)」にならって、国語の名詞を15の部門に分け、語源的な解釈を施したもの。

鏝を持ち場持ち場で使い分ける

鏝を自分のものにするということは、自分でその道具を作り上げることともいえる。具体的に道具を作り上げるとはどういうことかと言えば、商品として売られている道具は、左官工事をある程度幅を持って想定されたもので、同一材料としても、その手法には違いがあり、その場面、その場面での道具を自分のものとして、「こなし」ていくことが必要とされる。